令和 7年第1回定例会-03月03日-07号
今年は昭和100年、戦後80年、私は第二次世界大戦中に生まれた者としては、感慨深い年だなと思っております。
さて、本題に入ります。
まず、街路景観についてお尋ねいたします。
市街地の街路樹は都市に緑の景観と安らぎを与えるとともに、統一された樹種と樹形は近代的都市の建設には欠くことのできない重要なファクターとなっており、街路樹は、良好な都市景観の創出には大事な要件の1つであることは言うまでもないことであります。
さて、昨年4月24日に建設委員会の所管事務調査として、松戸市の街路樹及び京葉線南船橋駅周辺の視察を行い、船橋市とは比較にならないほどの管理の行き届いた松戸市の街路樹には驚かされたものです。その後、本市の南船橋駅周辺の新しいららアリーナや、新しい商業施設と住宅地を視察し、かつての殺風景な南船橋駅前の景観とは見違えるほどに変化した町並みには大いに驚いたものでした。しかしながら、唯一旧態依然のまま植栽されている粗末な街路樹には、正直がっかりいたしました。この新しい町の街路景観にふさわしいとは到底思えない、古いマテバシイの街路樹がそのまま放置されていたからであります。
そもそもが、マテバシイは本県房総半島南部の山に多く自生するブナ科の常緑高木であり、潮害に強く安価であることから、かつては東京湾沿岸の工場地帯造成時に各所で多用されたものであり、当該マテバシイも当時のそのままに、現在も残置されているものであります。私の経験からすると、このマテバシイは常緑で葉が厚く大きく、また、樹形を一定に保つことが難しいことから、現在は一般市街地の街路樹としては使用されず、近年は全県的にほぼ使われなくなった過去の時代の樹種でもあります。この新しい斬新な町の都市景観構成にふさわしいとは到底思えず、そのセンスを疑うとともに、この南船橋駅周辺のせっかくの良好な景観を、この不釣合いな街路樹が損なっていることは言うまでもないものであります。
したがって、この生まれ変わった南船橋駅前の町の景観にふさわしい新しい樹種に変更すべきであると私は思っているので、このマテバシイの街路樹の改植について、市のお考えをお聞きいたします。
◎道路部長(吉川健) お答えいたします。
JR南船橋駅から、ららアリーナに至る市道00-076号線、16-026号線のマテバシイは、議員ご指摘のとおり、開発当時に事業者により植樹されたものと思われる樹木でございます。一部の樹木は生育不良が見られることから、改植の必要性については、認識しているところでございます。今後、同種の街路樹のある他市の状況等を参考に検討を行うとともに、議員のご意見を踏まえ、新しい町並みにふさわしい、緑量を感じる美しい都市景観となるよう、改植の方法、樹種等を検討してまいりたいと考えております。
以上でございます。
◆川井洋基 ご答弁ありがとうございました。
前向きに改植していただけるということは、大変期待を持てる話でございます。
そこで提案ですが、改植樹種については、剪定がほぼ不要で一定の樹形が保たれ、周年緑である針葉樹の一種、コニファー類の検討や、オーストラリア原産の女性に人気のあるミモザ──アカシアとも言いますけど──などの常緑花木などに植え替えれば、街路樹そのものでも話題になる可能性も出てきます。新しい町のせっかくの良好な都市景観を損なうことなく、品格が向上し、むしろ町の活性化にさらなる付加価値を与えると確信するものであります。したがって、新しい町にふさわしい、新しい街路樹が南船橋の駅前景観をより一層の向上に寄与することは言うまでもないものであります。
かつては高根公団の問題があったポプラ並木を現在のユリノキに全面改植し、本町通りでは土地や気候に合わなかった北米産のアメリカハナミズキをクロガネモチに、市場通りの、これまた問題や苦情の多かったヤナギをベニバナトチに改植、習志野台のニセアカシアは台風に弱く、倒木が問題であったことからイチョウに改植した等々、市内では他に多くの路線で過去に全面改植を行ってきた事実は、枚挙にいとまがありません。市内のほとんどの路線で街路樹の改植を余儀なくされ、あたら公金の無駄遣いになった原因の最たる問題は、こと樹木に十分な知見や経験のない職員の配置による誤った選択と管理が今日の事態を招いたと言っても過言ではないと思うものであります。したがって、南船橋駅前も街路樹の改植によって、より一層の町のにぎわいと都市の品格の向上に寄与することは言うまでもないことであると確信するものであります。
次に、馬込霊園の墓地の対応状況と区画の在り方についてお尋ねいたします。
私は、約2万1000基を超え、また6万2000人もの埋葬者のある市営馬込霊園に隣接する区域に住んでおりますが、かつてはシーズンになると墓参者の車が殺到し、所用でうっかり車で外出すると、我が家の前や周辺道路の渋滞に巻き込まれ、自宅に帰ることがなかなかできず、墓参シーズン中は専ら自宅に籠もるのが通例でありました。
しかし、一昨年から全く車の渋滞がなくなり、それに伴い墓参者の姿も目に見えて減少するようになりました。死者を弔う葬儀も簡素化され、通夜も減り、今日では一日葬が主流となってきております。死者を弔い、先祖を敬い、お彼岸やお盆には墓参りをする日本人の伝統的行事が軽んじられてきたように思えてなりません。
市に問い合わせたところ、墓じまいの件数が令和3年では、霊園、霊堂合わせて147件、令和4年188件、令和5年187件とのことで、右肩上がりに増加の一途をたどり、それに伴い霊園内の空き区画や荒れ墓地も目立つようになっているとのことでありました。公営墓地の有効利用の観点からは、空き墓地の増加や長年放置されたままの荒れ墓地が目立つように感じられる昨今の状態は、極めて問題であると思っております。市民共有の財産である公営墓地の有効活用の観点から、空き墓地の増加や放置されたままの荒れ墓地が目立つようになってきた現状を見るにつけ、今後の公営霊園の管理運営に支障を来すのではないかと危惧するものであります。
そこでお伺いいたしますが、市民社会の情勢や生活環境の変化に対応する新しい魅力のある墓園のつくり方について、船橋市は長期的視野を持って抜本的な対策を至急検討すべきときが来ているのではないかと思っています。この市営馬込霊園に対する将来的展望についての市のお考えをお聞きいたします。
◎環境部長(岡田純一) お答えいたします。
先祖代々の墓地を引き継ぐことが難しいため、使用している墓地を次世代に承継せずに合葬墓への改葬を望む方や、新規の墓地として、区画墓地ではなく当初より合葬墓に入ることを希望する方が増えている状況にあり、本市では馬込霊園第5次整備計画及び墓地等基本方針において、合葬墓を基軸とした循環型墓地運営を構築していくこととしております。その考え方に立ちまして、空き墓地を増やさず、荒れ墓を防いでいくとともに、区画墓地や霊堂からの改葬も考慮した上で、合葬墓の整備を進めていく予定としております。
各自治体による合葬墓の整備例では、樹木や草花を植栽し、利用者の心が安らぐデザインとしたり、休憩スペースやトイレのほか、納骨の際のお別れの式が行えるスペースを確保するなど、近年取り入れられるようになっております。本市といたしましても、こうした先進例を参考にしながら、令和7年度に予定している基本設計において、合葬墓の整備内容の検討を進めていくとともに、お墓に対する様々なニーズを踏まえつつ、魅力ある市営霊園を目指してまいりたいと考えております。
以上でございます。
◆川井洋基 馬込霊園は、当初公園墓地として都市計画決定されたものであり、都市計画法の公園に位置してたものであります。したがって、お墓だけがあっていいということではありません。先ほど部長のほうから、花や木ということありましたが、まさに市民がそこで集えるような施設、それが墓園としての本来のあるべき姿かなと思っております。
さて、第2問になりますが、東京の都営霊園や千葉市の市営霊園である平和公園では、人気のある樹木葬を公営霊園でも取り入れ、希望者が大変多いと聞いておりますので、船橋市でも本馬込霊園内にも樹木葬区画を計画すべきではないかと思っています。さらには、空き区画の多い場所の墓地は移転や統合を促し、空いた用地を需要の多い芝墓地や樹木葬用地として転用するなどを検討すべきではないでしょうか。今議会では約8,000体分の合葬墓の設計予算が組まれておりますが、完成予定は大分先の令和11年度とお聞きしています。私が最も懸念しておりますのが、合葬墓の整備により、管理料や市民の墓所の考え方の変化により、現在の区画墓地を返還し、安価な合葬墓を利用する市民が想定以上急増することが予想されています。
したがって、合葬墓は完成と同時に早晩に埋まってしまうのではないかと危惧するものであります。十分な市民意識の調査をし、馬込霊園の墓参が楽しいと思えるような新しい感覚の環境づくりや、花や木を植えた公園墓地づくりを目指して設計に臨んでほしいと思っております。市のお考えをお伺いいたします。
◎環境部長(岡田純一) お答えいたします。
ご提案の空き墓地を統合し、ほかの形態の墓地に変更する場合は、霊園の景観維持の面から一団の状態となるように、近接区画使用者に対しても移転の協力を得る必要があると考えております。その場合、現使用者が移転にご協力をいただけることが前提となりますが、樹木葬墓地に転用する場合、納骨室を地下に設け、その周囲に景観木を植樹するため、根の張る部分も含めますと、ある程度の整備面積が必要になりますので、区画墓地を統合、再編し転用することは難しいように考えております。
お墓を取り巻く情勢は急速に変化しており、近年の墓地に対する考え方につきましては、これまでも市民意識調査や墓地使用者へのアンケート調査で把握しているほか、担当課にも市民の皆様から数々の声をお寄せいただいております。合葬墓整備に当たっては、こうした市民意識やご意見等を踏まえて検討を進めてまいりたいと考えております。
また、新たな墓地供給の在り方に対応していく必要があると認識しております。例えば永代使用を前提としない期限付制度や、一定使用期間後に合葬墓に合祀する制度を検討するなど、様々な墓地需要に応えられる市営霊園となるよう目指してまいりたいと考えております。
以上でございます。
◆川井洋基 ご答弁ありがとうございました。
ただ、部長の答弁ですが、部長は千葉市の樹木葬霊園の断面図をご覧になってないかなというようなお話であります。千葉市は樹木葬は大きな木を植えてます。しかし、その根元はコンクリートのがっちりした箱型の大きな墓室にたくさんのお骨を集団で入れられるようになってるんですね。一体一体木の根元に植えるわけではありません。これを勉強すれば、樹木葬の墓園づくり、大して難しいことでは、私はないと思っておりますので、再度の研究をお願いしたいなと思ってます。
次に、最後に、農作物の高温対策と農業者の支援についてお尋ねいたします。
令和6年第1回定例会において、本市の特産農産物の1つである梨の晩生種、新高の高温障害の対策として、農園芸資材の寒冷紗の利用による気温低減効果について、市農業センターや生産者による実験的取組をするよう提言いたしました。答弁では、新高梨の高温対策について研究していくとのことでしたが、寒冷紗はおよそ50%の光線量を遮断する安価なシート状の園芸資材ですが、その研究成果はどのようなものだったかお伺いいたします。
◎経済部長(市原保紀) お答えいたします。
議員からご提案をいただきまして、令和6年7月~10月にかけ、農業センター内の梨試験圃場にて、寒冷紗を用いた新高梨へ及ぼす影響調査を行いました。手法といたしましては、寒冷紗で日陰をつくった寒冷紗区と未実施地区に分け、温度変化や収穫量の調査を行いました。温度変化に関しましては、最高・最低温度とも未実施区を下回り、収穫量に関しても、販売可能な梨の率といたしまして、未実施区の35.6%に対し、50.2%と高くなりました。また、生産者が心配されていた糖度につきましても差がなかったことから、高温対策における寒冷紗の効果は期待できるものと考えられ、生産団体の会合で報告したところでございます。しかしながら、寒冷紗の設置には相当の労力と時間を要することから、実際の生産現場では導入をちゅうちょする声も聞いてございます。
以上でございます。
◆川井洋基 ご答弁ありがとうございました。
本年1月に二和の梨生産者に聞き取りしたところ、新高については9割が出荷できず、伐採を始めたとのことであります。このまま推移すれば、早晩晩生種であり知名度が高く大果となる新高は、本市のみならず千葉県から消滅することは火を見るより明らかであります。したがって、私の提案どおり、寒冷紗の使用には明らかな効果があったことが判明しましたが、効果はあるが、設置に労力と時間を取られるとのことでありました。家族経営の多い市内生産者がその対策にちゅうちょするのであれば、他にどのような対策があるのか、また、その対策に対し、市として本市の主要農産物である梨生産者にどのような支援ができるのかお伺いいたします。
◎経済部長(市原保紀) お答えいたします。
高温対策では、比較的高温に強い品種に替えることが1つ挙げられます。市内の新高生産者の場合は、収穫時期が重なる品種といたしまして、あきづきなどへ切り替える生産者がいると聞いてございます。もう1つは、違う品目への転換でございます。梨の場合、果樹棚がそのまま利用できるブドウがございます。特に高値で取引されるシャインマスカットは、若手生産者を中心に取り組む農家が増えてきてございます。
なお、農業センターでは、来年度の生産団体の会合等で寒冷紗の試験結果の情報提供を行うほか、当市の主力である幸水、豊水を中心に、13種の梨の試験をしてございますので、品種の比較や特性などの相談にも応じてまいりたいと考えてございます。また、ブドウの育成に関しましても約15品種の試験をしてございますので、切替え時や生育の相談対応など、支援を実施してまいりたいと考えてございます。
以上でございます。
◆川井洋基 ご答弁ありがとうございました。
労力がかかるといっても、寒冷紗って物すごい軽いんですね。現在ある多目的防災網の上に載せるだけで済むので、改めてネットを張るというわけではありません。その辺、私はあまり深刻には考えていないんですけどね。
また、ブドウの生産というのは今、シャインマスカットが主流ですけど、マスカット種というのはヨーロッパ系のブドウなので、日本の気候には非常になじみにくい。巨峰みたいな、巨峰はアメリカ系ブドウなんで、日本の高温多雨に耐えられるんですけど、乾燥した地帯を好むマスカットは、関東ローム層の土で、果たして主要生産地である礫質の多い山梨県と対抗できるのかというのは危惧しています。今、人気があるからといって安易に飛びつくと、植えた圃場が売り物にならない。船橋市でも巨峰の神保で畑がほぼ使えなくなった。花ぶるい現象というのを起こしまして、実がまばらにしかつかない。シャインマスカットは山梨でできるからこそ、シャインなんですね。船橋市で作っても、当面は売れるかもしれない。けど、私が危惧してるのは、みんなが作り始めてるから生産過剰になって、結局産地間競争に負けてしまうんじゃないかな。その辺は、農業センターを含めて、主管課は十分注意して指導してほしいなと思っています。
次に、秋から冬に収穫を迎えるキャベツやブロッコリー等の育苗時の幼苗は、8月下旬に播種期を例年やりますが、発芽初期の最も弱い幼苗が高温障害のため昨年は全滅し、改めて播種し直した事例が各所で発生しましたが、これも強光線と高温対策の寒冷紗が日よけ資材として、花卉園芸農家では以前から使用していますが、野菜農家は今までこれを使っていなかったんですね。さらに、初冬まで高温が続いたためキャベツが結球せず、育っても出荷できない事例も発生しました。本市の都市近郊農業の主要品目である野菜等の生産に関しても、高温対策が喫緊の課題と考えますが、有効な対策とその支援についてはどのように考えておりますでしょうか。
また、船橋特産の梨や野菜の生産者に対し、農業センターにおいて、気候温暖化対策として、高温耐性品種の選抜や規格試験栽培、さらには気温低減効果のある、先ほど申し上げました寒冷紗の購入補助等の新たな施策を至急実施すべきと思うので、お考えをお伺いいたします。
◎経済部長(市原保紀) お答えいたします。
園芸での有効な高温対策につきましては、種苗メーカーにおいて高温に強い種・苗の開発が盛んに行われていることから、播種時期に合った品種の選定と、露地栽培、施設栽培を問わず、農業資材を用いた遮光・遮熱に加え、高温に伴う病害虫の防除が有効と考えます。高温対策への支援につきましては、農業センターの規格試験栽培の結果を基に、優良品種や有効な防除方法を紹介をし、センターを中心に県の普及指導員や農協の営農指導員と連携しながら積極的に行い、市内生産者の良品率の向上に努めてまいりたいと考えてございます。
また、寒冷紗の購入補助につきましては、県の新規事業といたしまして、夏季の高温対策に資する機械・装置等の導入を助成するちばの園芸高温対策緊急支援事業が令和7年度予算に計上されましたので、今後も詳細につきましては情報収集に努め、市内生産者に周知してまいりたいと考えてございます。
以上でございます。
◆川井洋基 県の補助事業に頼らず、船橋市も独自の農業者の救済対策をしてほしいなとは思ってます。先ほど申し上げませんでしたけど、米ケ崎では昨年、ネギ畑が全滅しました。これはネギのさやの中に虫が入って、殺虫剤を幾らかけても中の虫は死なないために、中が全部食われてしまって、畑が全滅した事例を私も見てきましたので、気候温暖化の中で、今までいなかったような害虫がどんどん増えてくる。そういう対策も、農業センターがあるわけですから、しっかり研究していただきたいなとも思います。
時間もあれですので、さて、令和7年度の市政執行方針では、市長の施策全20ページのうち、農業施策については僅か2行と少しの文言で、積極的な生産者への支援が残念ながら全く感じることができずに、残念な思いでありました。最後ですが、答弁は要りません。
以上です。ありがとうございました。